堀内敬子さん

アプリをつくるのって楽しいよ!

堀内さんと初めて出会ったのは2008年のこと。そのころの堀内さんはバリバリのWebサイト制作者だったのですが、今やすっかり「アプリ制作の人」という印象です。
普段からふたりでご飯を食べに行く仲なので、リラックスムードでインタビュースタート。

Webサイト制作からアプリ制作に転向したのはいつごろなんですか?

「アプリをやりたいな」と思い始めたのは2010年くらいからですね。
当時からすでに、情報発信のためのコーポレイトサイトよりも、Webサービスのように機能をもったサイトをつくるのが楽しいと思ってました。どうやったら使いやすくなるか、どうやって機能をしぼるか、といったことに興味があったんです。

そんなときiPhoneに出会って「UIをさわれる」ことに大興奮したんですね。で、一瞬で「アプリつくりたい!」と(笑)

あはは、つくりたいのは分かるけど、そう簡単にはいかないじゃないですか。

そうなんですよ。ひとりでは無理なので、Twitterで「アプリつくりたい」とつぶやいてみたんです。
そしたら、今のパートナーであるエンジニアの小川秀子さん(以下「あーさん」)がリプライしてくれて、一緒にやることになりました。

最初のアプリは「PicTack うろおぼえ画伯」ですか?

はい。最初にリリースしたのは「PicTack」ですね。
でも実は、「PicTack」の前にひとつユーティリティアプリをつくりかけていたんですよ。ところがWebの頭のままでUIをつくろうとしたらすごく難しかった。たぶん、アプリ特有の画面遷移や考え方が分からないままつくるには、ユーティリティはハードルが高かったんだと思う。

それで、仕切り直して「PicTack」をつくりました。「PicTack」はゲームだし、一直線に進めていけばいいので、UIを考えるのは比較的簡単でしたね。

それとその当時は、イラストが描けておもしろい発想ができるえつこさんというメンバーがいたので、できたアプリだとも思います。誰が関わっているかって大事です。3人それぞれがスキルを発揮できたし、最初につくるアプリとしては大成功だったと思います。

「PicTack」は話題になりましたよね。

早朝の情報番組で紹介していただいたり、その後『王様のブランチ』なんかでも取り上げてもらいました。

ちなみに、マネタイズはどうなってるんですか?

ひとつは広告収入ですね。ただ、絵を描いてるときに広告が出るのは邪魔なので、メイン画面では非表示にしちゃってるから売上げにイマイチつながらない。
あと、ゲームで使うお題のセットを買えるようになっているんですが、困ったことにデフォルトのままでも十分遊べるんですよねー。売るのが上手じゃない、ホントに(笑)

アプリ制作は、Webサイト以上に技術の流れが早くて大変そうな気がするんですが……。

そうですね。逆に言うと、アプリは、つくるたびに新しい発見があるのが魅力です。
アプリをつくり始めたころは私も不安でしたが、自分が「やりたい!」と思ったら、やってみた方がいいんじゃない?
そう思いません?

思うけど……それまでに身につけたWebサイト制作のスキルとか、苦労して手に入れた立ち位置を捨てるのは勇気がいりませんでしたか?

うーん。きっと、私はわがままなんですね。
以前はWebサイト制作が知らないことだらけで楽しかったけど、今はこれが楽しいから仕方ないな、って(笑)

以前はWebサイト制作に関する講演なんかもたくさんやってたのに、そういうのも一度全部リセットしたもんね。

私、人前で話したり教えるのは向いてないんですよ、上手じゃないし。
といいつつ、登壇させてもらったときはそれなりに楽しんでたんですけどね。ステージで言いたいこと言ってスッキリしてた(笑)

そういえば、2014年は久々に「CSS Nite」(編集注:CSS Nite LP, Disk 35「マルチデバイス対応 2014」)で登壇させていただきました。Webサイト制作からは遠ざかっているので、ちょっとアウェーな気分で緊張しましたね。

さらに12/8には「Hour of Code」でもお話させていただくことになっています(編集注:インタビュー実施日は2014年12月1日)。これはApple Store主催のイベントなんですが、アプリをつくったことがない人に「アプリをつくるのって楽しいよ!」というメッセージをお届けしたいと思ってます。

完全復帰!? これからは講演も積極的にやっていくんですか?

講演は分かりませんが、引きこもりなので、そろそろ外に出なきゃと思ってます。一緒に遊んでくれる友達募集中(笑)
ちなみに、今日はまだ2,300歩しか歩いてません! これでもまだマシで、数百歩の日もあります。

少な!(笑) 生活スタイルは相変わらず夜型?

だいたい3時から6時に寝てますね。
私、どんなに早く寝てもお昼まで寝ちゃうんですよ。だからついつい寝るのが遅くなっちゃって。

ああ、分かります。私も同じ!(笑) 家に引きこもって、夜中まで何をしてるの?

仕事ですねー。
でも、パソコンの前にいる以外のこともしてますよ、読書とか。
ここ数年はビジネス書などを読むことが多かったんだけど、最近はあえて小説を読むようにしています。

ビジネス書だと、あんまり仕事の気分転換にならなさそうですが……。

興味があることイコール仕事がらみなので、仕方ないといえば仕方ないんですよね。
はたから見ると全く気分転換になってないんだろうけど、本人的にはやりたいことをやっているだけという。
アプリ制作中も、今つくってるアプリで行き詰まったら、別のアプリをつくって気分転換したりしてるくらいなので(笑)

インタビュー/編集 千貫りこ

Photography by Akiko ARAI

Profile

堀内 敬子(ほりうち たかこ)
UIデザイナー

出版社、Web制作会社勤務を経て、2005年にWeb制作会社を設立、2013年に譲渡。その後、エンジニアとふたりでFlask LLP(フラスク有限責任事業組合)を設立。UIデザイナーとして、シンプルで使いやすく、ちょっと楽しいiOSアプリの企画・開発・運営を行う。2014年リリースのアプリ『FitPort』と『Timesheet』は、どちらも各国のApp StoreでBest New Appsとして掲載される。
ほか、フリーランスでiOS/Android/WebアプリのUIデザインやコンサルタント、まれに執筆、講演など。

ブログ 云々 http://unnun.com/
Twitter @horiuni https://twitter.com/horiuni

Place

今回対談スペースを提供してくれたのは、銀座のオシャレなカフェ「GAT/CAFE」。

近未来的な空間で、おいしいドリンクや、日替りのサンドウィッチとスープのセットを680円にていただけます!(2015年1月現在)
銀座駅から徒歩3分という好立地でありながら静かな通りに面しているので、くつろぎの時間を楽しめますよ。平日の11:00から15:00まで営業しています。

併設のイベントスペースでは、エンタテインメント系だけでなくセミナーなどのイベントも開催されているそうです!

GAT/CAFEさんは閉店しました。

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