若狭たけしさん

嫌われたくないので……怖いですからね、炎上とか

最近はイラストのお仕事もされてますよね。HONDALADYさんとか。

HONDALADYは、Twitterがきっかけでお手伝いすることになりました。
僕がTwitterでフォローしているゲームライターさんがいるんですが、その人がHONDALADYをオススメしてたんです。聴いてみたら本当に良かったので、らくがき気分で似顔絵を描いてTwitterにアップしたんです。そしたらそれが本人たちの目にとまって。

やがてライブ会場に行く機会ができたので本人たちに直接イラストを渡したら、「あ、あのときの!」という感じでよろこんでくれて。
それからしばらくしてCDジャケットのイラストなどの仕事を依頼されました。

さらにHONDALADYつながりで「ゆるめるモ!」っていうアイドルのTシャツなどのイラストもたまに描かせてもらうようになったりで……。これまでこういった仕事はほとんど無かったんですが、根がミーハーなので、アーティストとかアイドルのお仕事はとても楽しいです(笑)

きっかけがTwitterというのがおもしろいですね。

趣味で同人誌をつくってコミケで売ったりする本職の方もいるんですが、僕はやり方がわからないのと、仕事以外で自主的にマンガ1本描くなんて大変(笑)という思いがあるのでやってないんです。
趣味で描いたらくがきをTwitterやブログにアップして満足しています。たまにこうやって仕事につながったりもしますしね。

あと、Twitterは投稿したイラストに対する反応がすぐに分かるので楽しいですね。
マンガ家って、読者の反応を知る機会がなかなか無くて孤独なんです。
せめて単行本が出れば読者のレビューをネットで探したりもできるんですが、単行本が出るまでの期間は何をモチベーションにしていいか分からなくてキツい。

Twitterをやることで、宣伝にもなりそうな気がしますが。

直接的に単行本の売上げにつながった、みたいな実感は無いですね。
ただイラストを投稿することでフォロワー数は増えているので、自分の存在を知ってくれる人が少し増えたんじゃないかと思ってます。

でもTwitterを熱心にやりすぎて、編集さんから「こいつヒマなのか?」と思われちゃったら困るので、ほどほどにしておかないと(笑)
イラストを投稿するタイミングも、実は気をつかってるんですよ。締切りの直後にしたり。実際のところ、締切り前にはTwitterをやるような余裕は無いんですが。

Twitterって、つい油断して「原稿が終わったー!」とかつぶやきたくなるんですけど、調子に乗ってつぶやきすぎると、仕事のスケジュールがダダ漏れになってしまうので注意してます。
たとえ同じ雑誌でも、作家さんによって違うスケジュールが組まれてることもあるので、他の作家さんを混乱させてはマズいですし。

わあ、お手本みたいに上手にネットと付き合ってらっしゃいますね。

でもまぁ、原稿が上がったらうれしくてやっぱり「上がったー」ってつぶやいちゃうんですけどね(笑)

いろんな方面から嫌われたくないので、あれこれ気をつけてはいます。怖いですからね、炎上とか。
僕はだいぶ前からブログをやってるんですが、「炎上したらどうしよう」とか考えたら怖くって、いまだにコメント欄を付けられずにいるんですよ。

十数年間じーっと様子を見続けて、ようやく「ここまでなら言ってもよさそうだ」「こういうときにはあんな風にふるまえばいいんだ」といったことが分かってきたので、Twitterを使って読者の方と交流を始めました。

あと、Twitterを始めたのは『働け!メモリちゃん』の影響も大きいかもしれません。
ずっと純粋なギャグマンガをやりたかったから、「メモリちゃん」を描いて初めて「これを描いてます」と胸を張って言える気がしたんです。それで、読者さんの生の反応に触れたくなったんでしょうね。

ところで、若狭さんのTwitterでのつぶやきを拝見していると、とっても多趣味だなあと感じるんですが。

はい! イラストを描くのも工作するのも、映画を観るのもゲームするのも好きです。自転車に乗って小旅行するのも楽しいし。趣味で大忙しです(笑)
趣味のために仕事してるようなものですね。

インタビュー/編集 千貫りこ

Photography by Ayumi Ohyama

Profile

若狭たけし(わかさ たけし)

北海道札幌市出身。1993年『コンビニエンス・ライフ』で小学館第30回スピリッツ賞奨励賞を受賞してデビュー。
主な作品は『ラブレター』『合同ナイン』『どんまい !』『働け!メモリちゃん』など。

現在小学館月刊サンデーGX誌にて西遊記をモチーフにしたギャグ漫画『西向きマイルーム』を連載中。
近年はイラストの仕事も発表している。

Place

今回対談スペースを提供してくれたのは、銀座でレンタルオフィス・貸し会議室を運営している丸高産業さん。

レンタルオフィスの「ベンチャーデスク銀座」では約325坪のフロアを贅沢に使用し、ゆとりと解放感のあるオフィス空間を実現。自社ビル・自社運営のメリットを生かし、初期費用や利用料も格安とのこと。これなら、初めてレンタルオフィスを利用の方や、現在の場所から引越しをしたいと考えている方も、気軽に利用できそうですね。

併設の貸し会議室では、少人数の打合せから大人数によるセミナーや講演会まで、目的や用途に応じた会議室の利用が可能だそうです。昭和通り沿い、歌舞伎座のすぐそばで利便性抜群なのもうれしい!

現在は運営会社や所在地が変更されています。くわしくはリンク先をご覧ください。

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