堀内敬子さん

はい、がんばれない代表です(笑)

最新作の「FitPort ヘルス&フィットネスダッシュボード」について聞かせてください。「FitPort」は大ヒットしましたね。

ありがとうございます。
「FitPort」は「HealthKit」(編集注:健康やフィットネスに関するデータを管理するためのデベロッパ向けツール)を使ったアプリで、「HealthKit」と同時にリリースしました。

リリースしたのは金曜日の朝だったので、私たちは無事リリースできたことを祝って打ち上げランチをしたりしてのんびり過ごしてたんですが、そうこうしているうちにアメリカ時間で金曜の朝になり、あちらでドーンと話題になりました。

本人たちが知らない間に盛り上がっていたんですね!

幸運なことに半日くらいの間、「HealthKit」対応アプリは「FitPort」だけ、という状態だったので、海外のテック系ニュースメディアがたくさん取り上げてくれましたね。

一方、日本では土日に入ってしまって、まるで話題にならず(笑)
でも月曜日になってもそんなに反響は無かったですね。そもそも「HealthKit」に対する認知が低かったのかなあ。

「FitPort」開発にあたって、こだわりや苦労話はありますか?

うーん。苦労したのは“分かりやすいセールスポイントが無い”ことですね。「PopWeight」なら“体重を指でグラフを動かす”とか、分かりやすいポイントがあるんですが……。

そういうポイントがないと、なかなか人に分かってもらえないんです。アプリ開発中、人に見せて意見をもらうことがあるんですが、「いいね! 使いたい!」と言ってもらえなかった。
すると、自分たちでもだんだん不安になってくるんですね。「これ、完成しても全く売れないんじゃないだろうか」と。

でも結局つくっちゃいました(笑)
「誰も求めてないかもしれないけど、私たちがほしいから作る!」という感じです。

とりあえず、「FitPort」のコンセプトは「がんばってない人でも楽しめるアプリ」です(笑)

私みたいに1日に数百歩しか歩かない人にとっては、1時間単位の歩数グラフが出てもおもしろくないじゃないですか。歩数計アプリだと、よく最初にそのグラフが出るんですが、私はいらない。だから、細かいグラフはありません。とにかく今日の合計がドーンと出ます。
あまり運動しない人でも、自分がどのくらいがんばったか見えるのが、「FitPort」のいいところですね。

なるほど! そう聞くとたしかに堀内さんじゃないとつくれないアプリですね(笑)

そうですね(笑)
ちなみに、体重管理系アプリの「PopWeight」は、開発にかかわった中では私以外みんな効果が出てるんです。なぜか私だけ効果が出ないので、「今度こそ!」と思って作りました。はい、がんばれない代表です(笑)

もっと売れ線を狙いたいと思ったりもするんですが、だめなんです。興味が無いことに時間を費やせない。私、わがままなんですよ。
これからも、自分たちがほしいものをつくっていきたいと思ってます。

Rico’s Eye


数年来のおつきあいがあり、個人的にも仲よしの堀内さん。今回インタビューさせていただいて、アプリ制作に対するモチベーションの高さを支えているのは「ほりーのワガママ」ということがよく分かりました(笑)
好きなものにとことんのめり込む、そのシンプルな潔さが彼女の一番の魅力だと感じました。これからもますますのご活躍を!

インタビュー/編集 千貫りこ

Photography by Akiko ARAI

Profile

堀内 敬子(ほりうち たかこ)
UIデザイナー

出版社、Web制作会社勤務を経て、2005年にWeb制作会社を設立、2013年に譲渡。その後、エンジニアとふたりでFlask LLP(フラスク有限責任事業組合)を設立。UIデザイナーとして、シンプルで使いやすく、ちょっと楽しいiOSアプリの企画・開発・運営を行う。2014年リリースのアプリ『FitPort』と『Timesheet』は、どちらも各国のApp StoreでBest New Appsとして掲載される。
ほか、フリーランスでiOS/Android/WebアプリのUIデザインやコンサルタント、まれに執筆、講演など。

ブログ 云々 http://unnun.com/
Twitter @horiuni https://twitter.com/horiuni

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